物流企業のユニフォーム代の経費処理
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物流企業のユニフォーム代の経費処理や作業着を支給する際のルール、支給規定の作成の流れや盛り込む項目などについてまとめています。
物流企業のユニフォーム代は経費にできる?
業務用のユニフォーム・作業着を経費処理できるケース
物流企業で使用しているユニフォームや作業着は、業務を遂行する上で直接必要な備品や消耗品とみなされるため、原則として全額を経費として計上可能です。ただし、「自社のロゴや社名が刺繍やプリントされている」「業務中のみ着用が義務付けられている」といったように、業務専用のものである、という点が客観的に証明できる状態であることが欠かせません。
ユニフォーム代に使われる主な勘定科目
ユニフォーム代を計上する際に使用される勘定科目は、主に「福利厚生費」と「消耗品費」の2種類があります。どちらの勘定科目を使用するかという目安については、ドライバーや倉庫作業員などすべての従業員に対し一律に支給する場合には福利厚生費として処理することが一般的となっています。対して、特定の部署や作業員のみに支給する場合などについては、消耗品費として処理を行います。
現物支給と金銭支給で異なる税務上の考え方
会社がユニフォームを現物支給する場合には、業務上の必要性が認められる場合には従業員の給料として課税されず、非課税となります。対して、従業員に「作業着購入代」として現金を支給してそれぞれ購入させる、という形をとった場合には、給与の一部としてみなされ、所得税の課税対象になる可能性があります。
非課税として経費処理するには、会社が一括購入して現物を配布する、または領収書による実費精算を徹底することが基本となります。
クリーニング・補修・交換費用の取り扱い
クリーニングや補修費用などを会社負担で行う場合、すべての従業員を対象として社会通念上妥当な金額であれば、「福利厚生費」として経費計上が可能です。また、作業により汚損・破損した場合に交換するための費用も、業務の遂行に不可欠なものとして消耗品費等で処理できます。
ただし、特定の個人のみを特別扱いして会社が費用を負担するケースについては、給与として課税される可能性があるため、基準を統一して運用することが大切です。
運送業で作業着を支給するときに決めておきたいルール
支給対象となる従業員・職種を決める
まずは作業着を支給する従業員や職種を決める必要があります。たとえばドライバーやフォークリフトのオペレーター、倉庫作業員、事務職などさまざまな職種がありますが、職種ごとに作業着の支給を行うかを決めます。
さらに、正社員だけではなくパートやアルバイト、契約社員など雇用形態ごとにも適用する条件についても明確に定め、不公平感のない基準を設けます。
支給する品目・枚数・交換時期を決める
ポロシャツやパンツ、防寒着といったように支給する具体的な品目を定めます。また、それぞれ何枚ずつ支給をするのかという点や、消耗度に合わせた定期交換のサイクルや追加支給を行う基準についてもあらかじめ決めておくことが必要となります。
支給か貸与かを決めて管理方法を明確にする
作業着を従業員に所有権ごと渡す「支給」とするのか、作業着を会社の所有物とし、一時的に従業員に貸し出す「貸与」とするかを明確に決めておきます。運送業の場合には、作業着に社名やロゴが入っていることが多くあります。そのため、防犯や情報漏洩防止、企業秩序維持の観点から「貸与」として台帳管理を行い、社外への流出を防ぐという体制としているケースが一般的です。
洗濯・補修・紛失時などの費用負担を決める
日常の洗濯や軽微なほつれの修繕は自己負担にするのか、または会社がクリーニングを手配するのかを決定していきます。また、業務中の自然損耗による交換は会社負担としつつ、個人の過失・故意によって紛失・破損が生じた場合の弁償負担割合といったように、金銭に関するトラブルを未然に防ぐためのルールを設定しておきます。
退職・異動時の返却ルールを決める
退職する場合や、作業着が不要な部署への異動などにより作業着が不要となった場合の返却ルールを決定します。具体的には、返却期日や返却状態(洗濯・クリーニングを行うかなど)といった項目が挙げられます。また、社名入りの作業着が悪用・転売されることを防ぐために、未返却時のペナルティや回収手順・回収後の廃棄ルールまで定めておきます。
作業着支給規定に盛り込んでおきたい項目
規定の目的・適用対象者
規定の冒頭には、その規定を制定する目的を明記しておきます。その上で、規定が適用される従業員の範囲を具体的に定義し、さらに対象外となる職種・雇用形態も明らかにします。
支給する作業着の種類・数量
従業員に支給する作業着の種類や数量も記載します。
ジャケットや作業ズボン、防寒着といったように、アイテムごとの正式名称と初回の支給枚数を定めて明記します。職種や配属される部門によって支給される作業着が異なる場合には、部署ごとの支給品目と数量の内訳を定めて記載しておくことによって混乱を防げます。
支給・交換・再支給の条件
作業着の支給・交換・再支給の条件についても定めておきます。
入社時の初回支給タイミングに加えて、「着用を開始してから1年経過後」「著しい経年劣化が認められた場合」といったように、作業着の交換条件を決めます。また、サイズの変更や破損による再支給時の申請フローを明らかにし、安易な追加支給を防げる仕組みを整えます。
着用・管理に関するルール
作業着の着用や管理に関するルールも記載しておきます。
業務時間中の着用義務について明記するとともに、私的な外出時などプライベートでの着用や、第三者への譲渡・転売・貸与について厳しく禁止します。さらに、ロゴやワッペンの加工や改造などを禁じるとともに、会社の看板を背負っているという意識を持たせ、常に清潔な状態を維持するように定めます。
紛失・破損時の対応と費用負担
作業着を紛失・破損した場合の報告義務と手続きについて規定します。業務に起因する通常損耗は全額会社で交換を行う一方、個人の故意や重大な過失による紛失・破損については時価相当額や再購入費用の一部を従業員負担とする点と具体的な金額の算出基準について明記します。
退職・配置転換時の返却方法
退職時や作業着を着用しない部署への異動が決まった場合に、「いつまでに」「誰へ」「どのような状態で」返却を行うかを明記しておきます。また、未返却による社名ロゴ入りの作業着の悪用を防ぐためにも、受領書の作成なども義務付けておきます。
運送業の作業着支給規定を作る流れ
1.現在の支給方法と管理上の課題を整理する
はじめに、作業着の現状について総点検します。発注履歴や在庫状況を確認し、運用面やコスト面など、管理上の課題を整理しておきます。たとえば「退職者からの回収漏れが多い」「交換基準が曖昧」といったような課題の洗い出しを行って整理します。
2.職種ごとに必要な作業着と支給条件を決める
ドライバーや倉庫内での作業員など、実際の現場環境について確認を行いつつ、職種ごとに求められる安全性や機能性を踏まえ、必要な作業着について選定します。その上で、正社員やパートなど、雇用形態ごとの支給基準なども決定していきます。
3.支給枚数・交換基準・費用負担を規定に落とし込む
現場の運用負荷と予算のバランスについて考慮しながら、初回の支給枚数や交換サイクルなどを文書化します。また、汚損時の再支給基準や紛失時の自己負担割合なども規定に落とし込み、誰が読んでも解釈がぶれない具体的な文面を作成します。
4.税務・労務上の取り扱いを確認する
作成した規定案について、経費計上の要件を満たしているか、給与課税のリスクがないかといった点などを顧問税理士に確認します。また、作業着の費用を従業員に負担させる場合には、就業規則や雇用契約書への明記が不可欠になります。このように、ルールを定める際は法律に抵触することがないように、十分に注意する必要があります。
5.従業員へ周知し定期的に見直す
完成した支給規定は全従業員に周知徹底することが必要であるため、社内掲示板や説明会を通じてルールの趣旨について伝えるようにします。また、導入後も現場の声を定期的に確認し、必要に応じて規定の見直しを行っていくことも大切です。
物流企業がユニフォームの経費・支給管理で注意したいこと
業務用と私服として使用できる衣服を区別する
たとえば、プライベートでも着用が可能な無地のポロシャツなどは、税務上「私服」とみなされ経費計上が否認されるリスクがあります。この点から、経費として認められるように社名や企業ロゴのプリントや刺繍を施すことで、業務専用のユニフォームである、という点が外観からひと目でわかる仕様にします。
給与から費用を控除する場合は労務上のルールを確認する
作業着の代金や紛失時の弁償費用を従業員の給与から天引きする場合には、労働基準法第24条に定められている「賃金全額支払いの原則」に注意が必要です。もし労使間で「賃金控除に関する労使協定」を締結していない天引きは違法となるため、適切な手続きを踏んだ上で規定を運用していくことが非常に重要です。
安全靴や反射ベストなど安全装備は作業内容に応じて確認する
物流現場で用いられる安全靴やヘルメット、反射ベストなどの安全装備は、労働安全衛生規則等の基準を満たす必要があります。これらは単なる作業着ではなく人命に関わる保護具であるため、会社側が必要数を支給・管理し、消耗や劣化についても定期的に点検し、安全基準を維持できる体制を整えておくことが求められます。
経費処理と支給履歴を社内で統一して管理する
支給状況については、台帳やシステムで一元管理し、経費処理の証憑と連動させます。もし支給履歴が曖昧になっている場合には、退職時の未返却や二重支給による経費の無駄が生じる可能性がありますし、税務調査時に業務関連性の立証が難しくなります。総務と現場、経理が連携した運用が必要となります。
まとめ
物流企業のユニフォームは、業務専用のものであることが明らかであれば、原則として全額経費として計上が行えます。適切な運用を維持していくには、支給対象や枚数、管理方法、返却時のルールを明文化した規定を策定し、台帳などによる一元管理を行うことが大切です。
企業向けユニフォームの
株式会社ダイイチ
運送業は、モノを運ぶだけの仕事ではありません。時間を守り、安全を守り、人と社会をつなぐ誇りある仕事です。だからこそ、現場で働く人が安心して動けること、そしてその作業着に誇りを持てることが重要です。私たちダイイチは、快適性・機能性・デザイン性を兼ね備えた一着で、働く人の力を引き出し、“運ぶチカラ”の進化を支えていきます。
柳下 元紀さん
