ドライバーの作業着支給ルール
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運送業においてドライバーの作業着を支給する場合に決めておきたいさまざまなルールについて解説しています。また、支給規定の作り方もまとめました。
運送業で作業着の支給ルールを決めておくべき理由
ドライバーごとの支給枚数や交換時期のばらつきを防げる
作業着の支給ルールをはっきりと決めておくのは、従業員間での公平性を保つためにも重要です。支給ルールが曖昧だと、「あの人は新しい作業着をもらえているのに自分はもらえていない」などの不満が生じやすくなってしまいます。
特に運送業の場合には、担当する配送ルートや荷物の種類などによって、作業着の消耗具合が異なるため、基準を設けておかないと交換時期や枚数にばらつきが出てしまいます。以上の理由から、明確な支給ルールを設けておくことが大切です。
紛失・破損・退職時の対応を統一しやすくなる
日々の業務の中で作業着を破ってしまった、紛失してしまったといった状況の場合にも、あらかじめルールがはっきりと決められていれば、「自己負担で再支給するのか」「会社が費用を負担するのか」といった判断に迷うことがありません。
さらに退職時にも作業着の返却をするべきか、そのまま自分で処分をしても良いのかをルール化することによって、担当者が変わったとしても同じ対応が可能となり、業務の引き継ぎもスムーズに進められます。
作業着にかかる費用や在庫を管理しやすくなる
ルールを定めることによって、会社側のコスト管理や在庫管理の面でもメリットがあります。
初回の支給枚数や定期的な交換サイクルについて決められていれば、年間ではどの程度の作業着が必要なのか予想を立てやすくなるため、予算の確保がしやすくなり、発注計画も立てやすくなります。さらに在庫管理の面でも余計な在庫を抱えるリスクも減らせますので、企業の経費削減などに繋げられます。
作業着は「支給」と「貸与」のどちらにする?
作業着の支給と貸与の違い
従業員に作業着を渡す際には、大きく分けて「支給」と「貸与」という2種類の方法があります。
「支給」の場合には作業着の所有権が従業員に移転するのに対し、「貸与」の場合は作業着の所有権は会社にあり、従業員にはその使用を認めているという状態になります。このように、「支給」と「貸与」の大きな違いは「所有権が誰にあるか」という点であるといえます。
この所有権の違いにより、後々の取り扱いや退職時のルールに影響してくることになりますので、どちらの運用とするかをはじめに検討することが必要となります。
返却の有無や管理方法を踏まえて決める
「支給」か「貸与」かを選択する際に、重要な判断基準となるのが退職時の返却の有無です。 「支給」を選択した場合には、その作業着の所有権は従業員にあるため、退職時に作業着の返却を求めることは原則できません。対して「貸与」を選択した場合には、退職時に作業着の返却を求められます。
作業着に会社のロゴや社名を大きく入れているようなケースでは、退職者が着用したまま悪用される・転売されるなどのリスクを防ぐためにも、返却を義務付ける「貸与」方式を選択する企業が多く見られます。
運送会社の管理体制に合った方法を選ぶ
いずれの方法を採用するかは、それぞれの会社の管理体制やコストへの考え方によって異なってきます。
従業員が非常に多く、退職時のクリーニングや回収、在庫管理などにかかる手間を削減したいと考える場合には、「支給」方式を選択して事務的な負担を減らすことができます。ただし、セキュリティ面やブランドイメージの保護を重視する場合、会社の看板とも言える作業服を厳格に管理したいと考える場合には「貸与」が適しています。
ドライバーの作業着で決めておきたい支給ルール
支給対象となるドライバー・従業員の範囲
作業着の支給を行う上では、「誰に作業着を支給するのか」という点を明確にします。正社員のほか、パートタイマーやアルバイトへの支給条件も決めておく必要があります。この場合、労働法上の「不合理な差を設けない」という観点から、週の勤務日数などを基準として支給対象を規定することが一般的ですが、派遣社員の場合には原則として派遣元の規定が適用される点には注意が必要となります。
支給する作業着の種類と入社時の支給枚数
上着やズボン、安全靴など、支給するアイテムを具体的にリストアップした上で、入社時に何枚支給するかを定めます。運送業の場合は作業中に汗をかきやすいために、洗い替えを考慮して上下2〜3セットほどを初回に支給することが一般的となっています。このように、業務環境に応じた支給枚数を設定することが重要です。
追加支給・交換を行うタイミングと条件
作業着は消耗品であるため、追加支給や交換のルールも定めておきます。たとえば「入社から1年経過後に1セットを支給する」といったように定期支給のルールを設けることもできますし、「劣化・破損が確認された際に都度交換」といった条件とすることもできます。
衣替えのタイミングに合わせて定期支給を行うとしている企業も多く、現実的なサイクルを設定することが望ましいといえます。
紛失・破損した場合の再支給と費用負担
ドライバー自身の不注意によって作業着を紛失・破損してしまった場合のルールを定めることも必要です。業務中の不可抗力による破損の場合には会社負担により支給を行うことが一般的ですが、明らかにドライバー自身の過失による破損や紛失の場合には、従業員が実費を負担するという規定を設けるケースが多いといえます。後々のトラブルを防ぐためにも、給与控除に関する労使協定の有無を確認しておくことも重要です。
退職・異動時の返却や処分方法
「貸与」方式を採用している場合には、退職時や異動時の作業着の返却方法も規定しておきます。返却期限や返却窓口を明記し、さらに紛失や極端な汚損があった場合に弁償を求めるかどうか、という点も定めておきます。会社支給の作業着は会社の看板でもあるため、社外への持ち出しや私的使用の禁止を含め、厳格なルールを文書化しておくことが大切です。
ドライバー向け作業着支給規定の作り方
1.現在の支給方法と管理上の課題を整理する
まずは現在行われている作業着の運用実態と課題を洗い出します。どのような支給方法となっているのか、また現場の不満や管理上の問題を挙げて整理します。ここでは総務や人事のほか、現場の従業員の意見も確認することによって、実態に即した課題の把握ができます。
2.支給対象・品目・枚数・交換条件など必要な項目を決める
現在の課題が整理できたら、規定に盛り込む項目について協議し決定します。誰に支給をするのか、どのアイテムを何枚支給するのか、交換サイクルや費用負担の割合などを決めていきます。可能であれば他社での基準を参考にしながら、自社の予算・業務環境に合わせ無理のない基準を設定します。
3.紛失・破損・退職時など例外時の対応を決める
紛失や破損、退職時といった、例外時のルールも明確に定めておくことが大切です。作業着を紛失した場合の手続きや費用の負担、退職時の返却フローなどを定めます。
4.決定した支給ルールを規定として文章化する
取り決めた内容を、規定として文書化していきます。その中では「数枚」など曖昧な表現は避けて「3枚」など具体的な数字を明記します。さらに、この規定は就業規則と密接に関わるため、就業規則内には「作業着の取り扱いは別途規定に定める」と記載しておきます。
5.従業員へ周知して運用後も定期的に見直す
規定完成後は、社内掲示板や朝礼などを通じてすべての従業員にしっかりと周知しておきます。また、新入社員に対しては、入社時に必ず説明を行う仕組みを整えておくことも大切です。
さらに、規定は一度作って終わりとするのではなく、運用する中で実態と合わない部分が出てきた場合には、従業員の意見を取り入れつつ内容を定期的に見直していくことも重要なポイントとなります。
まとめ
運送業における作業着の支給ルールについて解説してきました。ルールを定めることにより、従業員間の公平性維持やコスト管理、退職時のトラブル防止などに繋げられます。まずは「支給」とするのか「貸与」とするのかを自社の管理体制を考慮して決定した上で、対象者や支給枚数、交換条件、紛失・退職時の対応などを具体的にルール化します。さらにルールを従業員に周知することにより、従業員が安心して業務に専念できる環境づくりに繋げられます。
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運送業は、モノを運ぶだけの仕事ではありません。時間を守り、安全を守り、人と社会をつなぐ誇りある仕事です。だからこそ、現場で働く人が安心して動けること、そしてその作業着に誇りを持てることが重要です。私たちダイイチは、快適性・機能性・デザイン性を兼ね備えた一着で、働く人の力を引き出し、“運ぶチカラ”の進化を支えていきます。
柳下 元紀さん
